2018年8月30日木曜日

【TORCH Vol.105】これからの日本について考えよう~新しい視点からのアプローチ~


現代武道学科 助教 川戸湧也


 私は「常識」や「当たり前」、「普通」といった言葉が好きではありません。誰にとっての常識なのか、なぜ当たり前として認知されているのか。自分の知らないところで物事を決められていることに長らく納得することができませんでした。

例えば、身近なところでいうと、「婚約指輪は給料3か月分!」という言葉を聞いたことはないでしょうか?結婚をするとなると新居の準備などでお金がたくさんかかります。そのような時期であるにも関わらず、給料3か月分を指輪につぎ込むのはなぜなのでしょうか?そもそもなぜ指輪なのでしょうか?

「良し悪し」の問題とは別で、「なぜそう決まっているのか?」ということに対して「勝手に決めてんじゃねぇよ」という思いがありました。



 私が紹介する『日本再興戦略(落合陽一著,幻冬舎)』には、「日本」がどのように形成されてきたか、そしてこれからどのようにアップデートしていくかということが書かれています。上で具体例として挙げた婚約指輪もそうですが、私たちが自然と持っている価値観が何に由来するものなのか、それがどうやって広まったのかという点について記されています。著者はテクノロジーの専門家でホログラムの研究者です。さらにメディアアーティストとしても活躍している方です。「現代の魔法使い」や「平成のレオナルドダヴィンチ」とも呼ばれています。著者の深く幅広い知識から生み出された文章は、私たち日本人がこれまでどのように歩んできたか、またこれからどこに向かって歩むべきかを示してくれています。


 大学は最後の教育機関です。大学を出た後、どのように人生を送るかは学生諸君によってさまざまかと思います。少なからず、この本は人生を送る上でのヒントになると思います。大学生の今だからこそ、読んでもらいたい本です。