助教 鈴木良太
「肯定力」とあまり耳にしない言葉だが、この言葉は自分自身を肯定する力のことを指しています。肯定力が高ければそれだけ自分を信じる気持が強くなり、目標に向かって積極的に進めるようになるといわれています。とりわけ厳しい勝負の場では、肯定力の高低が勝負を分けるともいわれ、そのためにトップアスリートたちは、肯定力を高めるメンタルトレーニング等を行っています。今回、私がおすすめする書籍は、アテネオリンピック金メダリストで現徳洲会体操クラブ監督でもある米田功氏が執筆した「見えない壁を壊す!」光文社発行の書籍です。
この書籍の魅力は何と言っても現役時代に本人が行っていたメンタルメソッドが書かれていて、よくあるようなメンタルトレーナーが書いているような一般的なものとは一味違った切り口で書かれているところです。また、本人の実体験で書かれているため信憑性があり読んでいて納得してしまいます。これは、体操競技だけではなく他の競技を経験した方でも共感できる内容だと思います。
それではこの本の中身について面白いメソッドを2つほど簡単にご紹介します。
メソッド①
自分の「いい部分」と「ダメな部分」は分けて考える
ほとんどの人が自分を点数化すると80点だったり50点と答えるとありますが、本来は「いい部分100点」「ダメな部分100点」と分けて考え、いい部分とダメな部分を自分が知っておくことによって肯定力に繋がるとあります。
メソッド②
失敗にこそ共通のパターンがある
米田氏は他者からアドバイスをもあう時に必ず成功のためのアドバイスと失敗のパターンを聞くと書いてありました。その中でも、「どんな時に失敗したか」「どうすれば危険か」「どうなっていくときに失敗が出てくるのか」等の失敗のパターンを知っておくことが致命的な失敗を回避することができると書かれています。
実際に競技を続けていて伸び悩んでいる方や指導現場でのコーチングの参考にして欲しい一冊だと思います。