福田 伸雄
先日、県内の介護保険施設に勤務する介護職従事者を対象に救急対応の研修会を行った。研修会を開催するにあたり、救急対応に関する様々な書籍を読んだ。介護職従事者にも読みやすい救急対応の書籍を探したが、医師や看護師といった医療職を対象にしたものしか見当たらず、困っていた時に、医療職以外でも分かりやすく書かれている本を発見した。それが今回紹介する「いざというときに役立つマンガでわかる救急・救命処置―パワーアップ版」である。
救急とは、突然の病気や怪我などによって引き起こされる生命や身体を脅かす危機的状態であり、場合によっては、そこに居合わせた人によって予後が大きる変わる可能性があることを私はこれまで救急看護の臨床場面で目にしてきた。本書は、歯科衛生士を目指す主人公のユキとその家族が経験する救急場面をストーリーマンガで解説しているため、専門職以外の人にも分かりやすく書かれている。そのため、救急場面に遭遇する可能性のある介護福祉士を目指す学生、教職を目指す学生、スポーツの指導者となる学生などにお勧めしたい本である。