平良拓也
私は読書が好きである。思えば小学生の頃は、家の近くに図書館があったこともあり、暇があれば一人で遊びに行っていた。読んでいたのは専ら野球選手の偉人伝風漫画であったが、それをきっかけに本を読むことが好きになったのかもしれない。現在は専門書を読むことが多いが、それ以外にも自宅で時間があれば本を読んでいる。特に好きなジャンルもなく、小説や新書、雑誌、漫画など気になったものを手に取る。週に一回以上は本屋に行くことが気分転換となっている(図書館のブログなのにごめんなさい)。気分転換が出来ることもあってか、本屋には、特に買いたい本がある訳でもないがついつい立ち寄ってしまう。出張先や待ち合わせの空いた時間にもよってしまう。本屋では、新刊や特集コーナー(最近では実写化された本のコーナーなど)、雑誌コーナーなどを見て回る。タイトルや表紙に一目ぼれして購入する時もあれば、贔屓にしている著者の新作(私の場合は文庫でしか買いませんが)を手にすることもある。私の購入方法はCDを買う時と似ているのかもしれない(今はCDを買う人も少ないようですが)。面白いことに(個人的意見)、このように一目ぼれして購入した本の多くが、購入時の悩みや興味などを反映している(気がする)。人に本を薦めるのは恥ずかしいので、今回は、私が本屋でタイトルや表紙に一目ぼれし、今も印象に残っている本を紹介する。
①
アレックス・シアラー著/金原瑞人訳「チョコレート・アンダーグラウンド」求竜堂
②
有川浩「図書館戦争」角川文庫③ 荻原浩「神様からひと言」光文社文庫
④ 岡田斗司夫「いつまでもデブと思うなよ 」新潮新書
⑤ ジョン・C. マクスウェル著/渡邉美樹監訳「「戦う自分」をつくる13の成功戦略」三笠書房
⑥ 遠藤彩見「給食のおにいさん」幻冬舎文庫
①は高校3年生の夏に図書館で借りた本である。高校時代は部活動に専念しており、約3年ぶりに手にした本である。政府よりチョコレート禁止令が発令され、世の中のチョコレートや甘いものが禁止されてしまう。そこに3人の少年少女が立ち上がり自由とチョコレートを取り戻す戦いが始まるというものである。当時は栄養士になろうと決意したころであり、食べ物(特に甘いものであるが)を禁止することは難しいと感じた一冊だった。
②戦うという意味ではこの「図書館戦争」も似ている。公序良俗を乱す表現を取り締まる『メディア良化法』が制定されたことによる、行き過ぎた検閲が行われるようになり、良書を守るための組織・図書隊に入隊した女性の話である。戦争というワードが重い内容の雰囲気を思わせるが、ラブコメディになっておりとても読みやすかった。シリーズは全6巻だが2~3日で一気読みしてしまった。この本をきっかけに作者の有川浩さんの著書は読み続けている。
③新しい視点を持つように教えてもらった一冊である。入社早々、販売会議でトラブルを起こし、リストラ要員収容所と恐れられる「お客様相談室」へ異動となった男性。クレーム処理係であるお客様相談室では、無理難題や文句を言われる日々でストレスがたまってしまう。しかし、お客様のクレームは神様の言葉であるという考え方を教えてもらい男性の考え方が変わっていくという話である。
④10年程前になると思うが、レコーディングダイエットが流行したときに読んだ本である。日々食べたものを記録することで、食べ物への興味関心が生まれ、食への意識が高まることで体重減少につながったという著者の経験が書かれた本である。スポーツ選手もトレーニング日誌など記録することが多く、栄養指導に活かせるのではと考えさせられた一冊であった。
⑤やる気を出すために読む本である。院生時代の将来に思い悩んでいた時期によく読んでいた本である。成功のための戦略が13に分けて紹介されている。私がとても印象深いのは成功戦略12の「つき合う人を厳選する」である。良い影響を受けるプラスの人間関係を構築するためのアドバイスなどが記されている。
⑥栄養士養成施設で働いている時に読んだ本である。主人公は、高い技術を持ちながらもレストランでの人間関係により仕事を辞め、新たに学校給食の調理員として働き始めた男性である。そのほかの登場人物として男性の学校栄養職員が登場する。男性の学校栄養職員と小学校の現場を描いた小説を初めて読んだが、学校の栄養士として働きたいと思わせるような本であった。もう少し早く読んでいたら学校の栄養士を目指していたかもしれない。
学生のみなさんも、自分に印象に残る本が見つかるといいなと思います。図書館や本屋に行った時に、ふと目にした本を手に取ってみてはいかがでしょうか。