准教授 金田 詳徳
「ネットサーフィン」
若い学生は、もうこんな言葉は使っていないでしょうか。
「ググる」(Googleで検索すること)も死語のようですね。
昔は新聞がその役割を果たしていたようです。
毎日、隅々まで自分の興味・関心に関係なく情報が飛び込んでくる。
私は大学を卒業後、『スラムダンク勝利学』(集英社インターナショナル)などの著者である、スポーツドクターの辻秀一先生のオフィスで働いていた時期がありました。
スポーツドクターと言っても手術などをする整形外科医ではなく、メンタルトレーニングなどで選手をサポートする内科医のドクターです。
先生には良く「本を読む」ように言われ、先生の推薦する書籍を紹介してもらったり、プレゼントしていただいたりと学生時代、読書感想文を書く時などの課題に取り組む時くらいしか、あまり本を読んでこなかった私には習慣にするまでは大変でした。
読書しようと興味のあるタイトルの本や著者の本を手に取り、買って満足。
後から読もうと家の中で山積みになっていく。
そして引越しをするたびに、荷物が増えていく、、、
そんな悪循環の状況だった私に知り合いが「本は図書館で借りれば、邪魔にならない」とアドバイスをくれ、それまで学校以外の図書館をほとんど利用したことがなかったのですが、はじめて市町村の図書館を利用してみました。
利用登録をして借りたい本が決まっていればインターネットで最寄りの図書館に取り寄せることができたり、貸し出されていれば予約をして自分の順番が来ればメールで案内してくれたりと結構便利です!(最近では市町村によっては電子書籍の貸し出しも増えているようです。)
さらに、荷物にならないだけではない図書館の利点を発見しました!
そう、図書館の本は、期日までに読んで返さなければならない!(読まなくても返さなければならないですが・・・)
興味のある本を買って満足してしまっていた私には、とても効果的な方法でした。
私のような方は少ないかもしれませんが、ぜひ、読書習慣を身につけるためにも図書館を利用してみてください。
私は今年(2021年)の7月から仙台大学に勤務しているのですが、その報告を兼ねて6月に先生に会ってきました。
その時にも、たくさんの先生の著書をプレゼントしていただきました。
その中でも『リーダー1年目からの教科書』(ぱる出版)の書籍の中で紹介されているリーダーの著書を読みたくなる。
(以下、紹介)
元ラグビー日本代表HC:エディ・ジョーンズ
『コーチングとは「信じること」』(生島淳著/文芸春秋)
元NBAコーチ:フィル・ジャクソン
『イレブンリングス 勝利の真髄』(スタジオタッククリエイティブ)
ヨーロッパサッカーコーチ:ジョゼ・モウリーニョ
『モウリーニョのリーダー論』(タカ大丸訳/実業之日本社)
青山学院大学陸上部監督:原晋
『逆転のメソッド』(祥伝社)
元サッカー日本代表監督:岡田武史
『岡田武史というリーダー』(ベストセラーズ)
帝京大学ラグビー部監督:岩出雅之
『負けない作法』(集英社)
また、たくさんの人の考えを一冊で楽しめる、下記のような書籍は何度読んでも私は面白いと感じます。
『プロフェッショナル100人の流儀』(致知出版社)
『プロ論。』『プロ論2。』『プロ論3。』(徳間書店)
同じようなことを別の表現で語っている方もいれば、次のページでは、まったく反対のことを言っている方もいる。
しかも、何となく手に取って読み返してみると、そのときのタイミングで自分の感じ方もまったく異なってくる。
そう、まさに本は自分を映す鏡なのです。
何となく毎日を過ごしているときは、本の言葉から刺激を受けたり、壁にぶつかっているときは、解決策を見つけたり、自分以外にも同じ悩みを持っていた方がいることを知るだけでも安心したり、その時、自分が欲している言葉を自分なりに解釈して目の前の課題に対処していく。
成功や解決策なんて、どれも同じじゃないんだなと。他人の真似事ではなく自分なりの方法を見つけ出すしかないと本を通じて学んだ気がします。
人は様々な人と出会い、様々な経験を重ねることで刺激を受け、成長するもの。それは直接会う人だけではなく、本を通して考え方を知るだけでも体験できると私は考えています。
そして、前途したように経験が変われば、感じることも変わる。
話があちこちにいってしまいましたが、ふらりと図書館に寄って興味・関心のある本を手に取ってみてはいかがでしょうか。
その本が面白ければ、他の著書も読んでみる。
また読んだ本の中に、別の誰かの本のタイトルや一部抜粋した内容が出てくることも多いでしょう。
そんな本を探して読んでみる。
そう、まさに「ブックサーフィン」とでも言いましょうか?
様々な考え方に触れあえる読書。
皆さんも、ぜひ図書館に寄って新しい出会いをしてみてはいかがでしょうか。