堀江 竜弥
介護福祉士養成には自身、大きな使命を感じる一方で教育の難しさを痛感している。学習に必要な書籍は生活支援技術論に関するもの、実習に関するものなど講義に対応したシリーズになっており、必要な知識は網羅されている(はず)だが全て揃えると非常に高価である。ボリュームもそれなりに多く、学生が読み込んでいくことに抵抗を感じるのには、同意できる余地がある。
医療・福祉領域における書籍は多く存在するのだが、教員が伝えたいものと合致した書籍がほとんどない現状ばかりか指導書はそもそも存在しないので、教員の経験や考え方を織り込みながら、分かりやすい講義を目指すこととなる。同様の事項が書かれている書籍を数冊、棚から出してはどのように伝えると理解できるか、試行錯誤の日々である。いずれは本学用に改変した学生向けの分かりやすい書籍や教員が介護福祉養成に難渋しない指導要領を作成し、活用することを目論んでいる。
看護職は基本、患者に指導する身でありながら技術・技能職であるがゆえ教育に関して受講経験が乏しく、教育書を読むのは看護系教員個人の裁量に委ねられる。つい最近になって教育論を受講する機会があり、教師養成研究会「教育原理 十訂版」に出会った。教職の意義や基礎理論、生徒指導など教育全般について経緯や考えが丁寧に述べられており、非常にありがたい書籍である。教員職を目指す学生だけでなく、介護・看護領域の学生にもお勧めしたい。