教授 江尻雅彦
高校野球の監督時代、決勝戦の壁を破ることが出来ず、近いようで遠かった「甲子園」への道、「自分に足りないものは?」と、もがき苦しみ自問自答した日々、そんな時出会った作者が「中村天風」でした。中村天風は、著書の中で「人の運命は自分の心が決める」と言っている。
ここで紹介したい著書は、中村天風の影響を受け、「人はどう生きるべきか」ということをテーマに語っている田坂広志の「未来を拓く君たちへ」です。田坂は、生きるためには「志を抱いて生きるべき」と語っています。是非学生たちに薦めたいと思います。
以下
「未来を拓く君たちへ」著者 田坂広志 より引用
若者は、これから「二つの未来を切り開いていく」
一つは「自分自身の未来」である
人はこれから自分の人生の歩みを通して、自分自身の未来を切り拓いていく
これから何十年かの人生を歩む君は、あたかも、人生という名の山に登ろうとしている登山家だその登山の途中には、最高の何かが待っている
しかしそれは、まだ誰も登ったことのない山
どこにも道はなく、頼るべき地図もない
だから、その山において、歩むべき方向を定め、道を切り開くのは君自身
地図がなければ、自分の力で地図を描き、道がなければ、自分の力で道を切り拓く
君はそうやって人生という名の山を登っていかなければならない
もう一つの未来とは「人類の未来」である。
君は自身の未来を切り拓くことによって、人類の未来を切り拓いている
そのことを知ってほしい。
君が、自身の未来を切り拓くということは、実は、人類の未来を切り拓いていくということである
君が、君の素晴らしい可能性を実現するということは、そのことを通じて、人類全体が一つの可能性を実現していくということである
では、どうすれば君は、自分の未来を切り拓いていくことができるのか
どうすれば君は、目の前にそびえ立つ、人生という名の山を登っていくことができるのか
そのために決して忘れてはならないことは「志」を抱いて生きることである
では「志」とは何か?
与えられた人生において、
己のためだけでなく、
多くの人々のために、
そして、世の中のために、
大切な何かを成し遂げようとの決意
これが「志」である