マーティ・キーナート
「和をもって日本となす」
(角川文庫) 文庫 – 1992/2
ロバート ホワイティング (著),
玉木 正之 (翻訳)
(角川文庫) 文庫 – 1992/2
ロバート ホワイティング (著),
玉木 正之 (翻訳)
You Gotta Have Wa (英語)
Robert Whiting (原著),
既に20年以上前、野茂投手が海を渡る前に出版された、このロバートホワィティングの名著を読んだことのない方に、是非一読して頂きたく推薦します。
「これば、“文化摩擦”に関する本である。すなわち、日本とアメリカのあいだに存在している亀裂を、ベースボールというスポーツを通して描いたものだ。われわれアメリカ人にとって、異なる文化を理解することがいかに難しいものか、とりわけ日本というまったく異質の文化がいかに理解し難いものであるか―ということを、知ってもらうために書いた本なのである」〜書評より
日本の野球は、work ball=仕事 で、アメリカのベースボールは play ball=楽しみ であるという著者の言葉どおり、数々の日米の野球とベースボールの違いを軸に、野球の話だけではなく、日米文化と国民性の違いをたくみに現しているこの本は、現代の日本の若者の必読書でもあるべきと考える。私が常々学生諸君に訴える持論、「自国を理解する為には、まずは外(外国)に出て経験する事」を、この本を読めば、一層理解してもらえるだろう。著書の唱える、「日本では『和』が大事で『出る杭はうたれる』」というような風潮は、実際かなり変化してはいる。
それでも、グローバル、グローバルと叫ばれる現代日本において、考えさせられる指摘は多い。
日米の歴史と文化論としてお薦めの1冊。